PaleALE : Pale - A Latex Environmentは、Visual Studio Codeエディタを使う LaTeX執筆環境の構築用スクリプト、ツール、およびサンプルLaTeX文書のコレクションです。
ターゲット環境は次の3種類です。
- Ubuntu Desktop
- Ubuntu Server
- WSL (Ubuntu)
最新バージョンはGitHubで取得できます。
PaleALEプロジェクトの目的は二つあります。
- Visual Studio CodeによるLaTeX執筆環境を作るためのインストール・スクリプトを提供する
- 同環境での執筆のためのツールを提供する
PaleALEが構築する執筆環境はVisual Studio Codeと、その上で動作するLaTeX Workshopプラグインを用いたものです。LaTeX Workshopを使うことで、LaTeXファイルを保存するたびにビルドが自動的に行われ、Visual Studio Code上で即座に生成したPDFファイルが自動的に表示されます。執筆者はビルドのたびにコマンドを叩く必要はありません。
LaTeXは美しい文書を作ることが出来るツールですが、文献の整理や画像の挿入といった事を始めると、非常に多くのツールとの連携が必要になってきます。これらのツールを使う環境の準備や、手作業によるツールの起動を行っていては執筆に集中できません。
PaleALEは環境の手軽な設定と、画像をLaTeX文書を使うためのスクリプトを提供します。具体的にはスクリプトを使うことで以下の画像形式をLaTeX上でPDFとして利用できるようになります。
- PNG
- GIF
- JPEG
- draw.io
PDF以外の画像はスクリプトによってPDFに変換されます。変換はマルチプロセスで行いますので、大量の画像データがある場合もマルチコア・プロセッサを利用して手早く変換をすることが出来ます。
画像の変換はLaTeXのビルド・シーケンスに組み込まれているため、手作業で変換スクリプトを呼ぶ必要はありません。
PaleALEのインストール・スクリプトは以下の環境に対して動作します。
- Ubuntu Desktop 22.04 LTS ( x86_64)
- Ubuntu Server 22.04 LTS ( x86_64, aarch64 )
試験していませんが、Arm版Ubuntu Desktop 22.40 LTS ( aarch64 )でも動作すると思われます。
PaleALEのスクリプトは以下の環境で試験しています。
- VS Code on Ubuntu Desktop 22.04 LTS
- Ubuntu Desktop 22.04 LTS (x86_64) on WSL2 + VS Code on Windows 10
- Ubuntu Desktop 22.04 LTS (x86_64) on WSL2 + VS Code on Windows 11
- Ubuntu Server 22.04 LTS (x86_64) + VS Code on Windows 11 (remote SSH connection)
- Ubuntu Server 22.04 LTS (aarch64) + VS Code on Windows 11 (remote SSH connection)
aarch64の試験は、Raspberry Pi 3A上のUbuntu Server 22.04で行いました。
各バージョンの全ファイルとビルド済みサンプルPDFがリリースとして公開されています。プロジェクトページ右のリリースを参照してください。
PaleAle Wikiはリリースとは独立して技術情報を公開しています。トラブルがあったときはWikiも参照してみてください。
LaTeXの執筆を行うには、まずLaTeX文書のプロジェクトをVisual Studio Codeで開きます(メニューバー→[File]→[Open Folder ...])。この状態で編集を行います。Visual Studio Codeはフォルダのファイル一覧を表示してくれるので、好きなファイルを自由に開くことが出来ます。
LaTeX文書のソース・ファイル(.tex)を開いた状態で以下のショートカットを利用できます。
- Alt-Ctrl-B : LaTeX文書のビルド
- Alt-Ctrl-V : 生成したPDFのプレビュー
一度文書のビルドを行うと、LaTeX文書のソースを保存するたびにビルドが行われプレビューがアップデートされます。
インストール方法についてはINSTALL.mdを参照してください。
注意:InstallスクリプトはImageMagickのポリシー・ファイルを変更し、PDFファイルを生成できるようにします。
PaleALEプロジェクトのディレクトリ構造は以下の通りです。
PaleALE
├── FILES.md : LaTeXプロジェクトのディレクトリ構造の解説
├── install : PaleALEのインストール・スクリプト
├── INSTALL.md : PaleALEのインストールの解説
├── LICENSE : ライセンス条件
├── README.md : 今読んでいるファイル
└── sample : PaleALEを使うLaTeX文書プロジェクトの例
├── 000_preface.tex
├── 010_body.tex
├── a10_appendix.tex
├── b10_authrs_note.tex
├── image
├── image_src
│ ├── diagram.drawio
│ ├── IMGP3933.pdf
│ ├── IMGP3954.jpg
│ ├── paint1.png
│ └── paint2.gif
├── .latexmkrc
├── out
├── preamble.tex
├── sample.bib
├── sample.tex
└── script
├── convert2pdf
└── process_of_conversion
LaTeXプロジェクトの構造に関してはFILES.mdを参照してください。
CHANGELOGも参照してください。
ビルドするLaTeX文書において索引ページが空の場合はLaTeXのビルドに失敗します。
索引ページは\printindexおよびpreamble.texで宣言している\termマクロを 使用して作っています。文書中に\termによる用語登録が一つもない場合、 LaTeXはビルド中に異常終了します。
この問題を解決するには最低一つの用語を索引に登録してください。あるいは \printindexによる索引ページを削除してもよいです。
この問題は GitHub Issue #3 として追跡されています。
本プロジェクトは以下の例外を除いてMITライセンスに基づいて配布しています。
- .latexmkrcはVSCode で最高の LaTeX 環境を作るで公開されているものです。
- LaTeX Workshopの設定ファイルはVSCode で最高の LaTeX 環境を作るで公開されているものを改造しています。
問題はgithub issueを使って報告して下さい。
Pull Requestを受理した場合、上記ライセンスに従って公開されます。